3/12 LunchTripミャンマー品川便『発酵食の魅力』〜前編〜
みなさま、こんにちは。
3月12日に、わ!しながわ!(品川区シティプロモーション事業)の一環として、ミャンマー品川便を運行しましたので、2回に分けて報告します。
品川区にあるKAIDO books & cafeを会場として使わせていただき、27名のpassengerに参加していただきました。
美味しい発酵食料理を食べつつ、ガイドのお二人のかけあいを楽しみながらミャンマー・シャン族の発酵食や文化、生活についての理解を深める回となりました。
~ミャンマーの発酵食文化について~
まずは今回のゲストであり、料理を提供してくださった、ノングインレイのスティップさんの紹介です。スティップさんは、在日ミャンマー人の多いといわれる高田馬場にて、ミャンマー・シャン族料理レストラン「ノングインレイ」を1996年に開店。ミャンマー人だけではなく、日本人にも人気のレストランで、メディアにも多数取り上げられています。
ミャンマーの北東部に位置するシャン州に多く住むシャン族ですが、実は中国雲南省・ラオス・タイにも多く住んでおり、スティップさんもラオス出身のシャン族となります。山岳地帯に住みながらも、一帯を流れるメコン川・サルウィン川を水源に農耕を営む民族とのこと。そのため川魚を主に食べ、宗教上の理由から牛肉は食べず、豚肉・鶏肉が多いとのこと。
もち米を含むご飯が主食ということで、日本人とも共通点があるようですが、シャン州の州花も桜ということで、他にもいろいろ共通点がありそうですね。
そんなシャン族の人たちですが、どのように発酵食文化を発展していったのでしょうか。スティップさんに伺うと、発酵食品はシャンの人たちにとって、「大事な保存食」とのこと。買い物をできる場所は、5日に1回近所にやってくる、移動式の市場のみとのことで、どのように食材を(冷蔵庫がないので)保存できるかは生活する上での死活問題。長期間にわたって保存ができる発酵食品は、生きるための知恵だったようです。
そして、シャン州の山合いの特徴として、乾燥・昼夜の寒暖差が挙げられるそうです。それこそ、発酵するに適した気候のようです。また、シャン州の中でも中国に近い北東部は中華系の料理だったり、地域の中、また作る家系によっても発酵食が異なる作り方をしているようです。
ここで、今回のメニューから、発酵食品を紹介していただきました。
お肉とお米の皮なしソーセージですが、こちらは豚肉と炊いたご飯と塩、というシンプルな組み合わせでできています。こちらを手でよくほぐし、つぶしながら混ぜ、成形し、重石を置いて3日間で出来上がります。身近な例ですと、作り方はハムと似ていて、そのまま生でも(!)召し上がれるとのことです。今回提供するメニューは少し蒸して加熱されていたとのことです。
次は納豆味噌そうめんのトッピングである高菜漬け。日本の高菜漬けとよく似ていますね。こちらもとても簡単。ざく切りにした小松菜・辛みの少ない唐辛子・塩・黒砂糖をよく混ぜ、袋に入れて数日間。トッピングだけでなく、スープにしたり、ノングインレイでも高菜漬けのメニューはもりだくさん。
また、シャン州では納豆があり、こちらもシャン族の料理とは切っても切り離せないほど重要な食材とのこと。会場の皆さんには、シャン州の納豆せんべいを試食して頂きました。
ここで、小倉ヒラクさんとのトークセッションが始まりました。納豆味噌・焼酎・豆腐の作り方など、日本の発酵食品との比較について、多岐にわたってスティップさんと小倉さんと活発な意見交換がありました。ミャンマーの発酵食文化は、まだまだ知られていないことが多く、発酵の専門家である小倉さんも、「ぜひミャンマーに行ってみたい!」と仰るほどでした。
~ランチ編~
最初は、前菜として納豆味噌の野菜スティックと、お茶っ葉サラダ(ラペット)が振舞われました。そのあと、お肉とお米の皮なしソーセージ、納豆チャーハン、納豆味噌そうめん、デザートにはタピオカが提供されました。デザート以外すべて発酵食ということですから、いかにミャンマー・シャン族料理が発酵食で溢れているかがわかりますね。
食事の間、ノンフィクション作家で、『謎のアジア納豆 そして帰ってきた「日本納豆」』の著者の高野秀行さんからご提供いただいた、納豆せんべいを作っている様子の映像が流れました。シャン州での取材をまとめた貴重な映像で、観客の方も、ミャンマー納豆のイメージが湧いたのでは、と思いました。
後半は、会場となりましたKAIDO books & cafeのある品川区の魅力について報告いたします。
お楽しみに!