11/15 LunchTripクルド便レポート
こんにちは、CrewのKyokoです。2020年11月15日(日)にLunchTripクルド便~日本育ちでも大人になったら収容される子どもたち~をオンラインで開催しました。今回は「世界最大の国を持たない民族」クルド人にスポットを当て、15年以上クルド難民の支援を行っている織田朝日さんをガイドに、日本を含むクルド人が住む場所を旅しました。
クルド便を企画した経緯
今まで海外の文化を取り上げることが多かったLunchTripですが、日本に暮らす外国人に目を向ける便もやりたいとずっと思っていました。そんな時、子どもの貧困をテーマにしたオンラインイベントに参加した際、織田さんから日本に住むクルド難民の子ども達の現状についてのお話しをお聞きし、私自身もすごく心を動かされたので、ぜひLunchTripでも織田さんにお話して頂きたいとお声がけしました。
当日の様子
難民・クルドについての基礎情報
まずはCrew・Kazueより難民ってどういう人達?クルド人ってどういう人達?という基礎情報についてお話ししました。クルド人はどんな場所に住んでいるのか、人口、宗教、歴史や各国でどんな状況に置かれているのか等、たくさんのリサーチも元に情報盛りだくさんで、まるでKazue先生の授業の一コマのような時間でした!
クルド料理について
お楽しみのクルド料理について、Crew・Aiよりお話ししました。クルド便にあたって、CrewのAiとMilanoは日本初&唯一のクルド料理専門店メソポタミアを訪れ、オーナーのワッカスさんからお話しを伺いました。ワッカスさんに教えて頂いたクルド料理の特徴についてや、Aiが実際に食べてみた感想を絡めたクルド料理の紹介は、聞いていて美味しそうでお腹が減ってきました!
ガイド・織田朝日さんのお話
そして、今回のクルド便のガイドで、15年以上日本に住むクルド難民の支援をされていて、「となりの難民」の著者である織田朝日さんから、実際に織田さんが関わってきたクルドの人々や子ども達のお話を伺いました。
川口市に多くのクルド人が暮らしていること、
難民申請者の場合どんな種類の在留資格があるのか、(中でも仮放免では住民票も保険証もなく、働くことも許されず、学校だけは行くことができる)
学校でいじめに合っているクルドの子のために織田さんが始めた“くるどっこ演劇”について、
いじめの他にも、お父さんが収容されたり、大人になったら本人が収容されたり、大人になっても働くことを許されず、生活も厳しく、
そして今は送還忌避罪という難民であることを罰せられるような法律までできそうなこと等、
クルドの子ども達が直面するさまざまな問題は、聞いていて胸が締め付けられ、日本人としてとても考えさせられるお話しでした。
ワークショップ
ガイドのお話に続き、Crew・Milanoのご案内でグループディスカッションのワークショップを行いました。5名ほどのグループごとに、「お話しを聞いて何を感じたか」「不可抗力で自分が国を追われ難民になるようなことがあったら、どういうところへ行くか、何を重視するか」「日本にいる難民に対して、自分にできる身近なことは何か」を話し、終了後チャットで皆さんの意見を記入して頂きました。
–ゼミでクルドについて調べているが、日本で育っている子どもに対してこんなにひどいのかと驚き、おもてなしの国と言っているけど難民に対しておもてなしがないなぁと思った
-難民だったら、自分もそうなるかもしれないと思ってくれる国に行きたい
-自分が難民にならなくても、もし死ぬまで幸せだったとしても、不条理に向き合うべき
-多様性の考え方を持つ政治家がいないと、今のシステムは変わらないと思うと、選挙が大事。そして、最終的には“教育”につなげなければならないと思う
–-情報発信が大切 など、様々な意見が挙がりました。
着陸後フリートーク
着陸後、ガイドの織田朝日さん、参加されたPassengerの皆さんとでフリートークを行い、自由に質疑応答する時間を設けました。収容される時は傾向があるのか?収容される男女比は?収容されて強制送還される場合は多いのか?収容所はどんな所?など様々な質問がありました。
前触れもなく突然収容が決まり、収容所は刑務所のような所でいつ開放されるかも分からず、子どもと引き離され収容される女性もいて、トイレも丸見えの所もあること、強制送還よりも自尊心を奪う厳しい状況に置いて自主的に帰ってもらうやり方であること、官僚を動かすには政治家を動かすことで、そのためには選挙が大事など、様々な話があり、大変考えさせられたり、学びの多い有意義な時間となりました。
また、以前LunchTripシリア便のガイドをして頂いたイブラワハイトの山崎さんも今回Pssenngerとして参加して下さり、山崎さんの感想や、シリアからのクルド人の方が難民の要件を満たしていても、日本で難民認定されないケースのお話しも聞くことができました。
最後に
今回は初めて日本に暮らす外国人にスポットを当て、LunchTripにとっては新しいチャレンジでしたが、素晴らしいクルド便crewのKazue、Ai、Milanoのおかげで、大変学びの多い便になりました!また、クルド便に参加したPassengerの皆さまからの温かい言葉にも、大変励まされました。最後に、事後アンケートにご協力頂いた方の感想の一部をご紹介します↓↓
‐日本が世界の中の一員であることをもっと自覚していくことが、難民問題の中にもあることを再確認した
‐思想や国の垣根に縛られずに、広く物事を捉える心が大切だと思った
‐日本にいるクルド人の置かれた状況について、メディアでは大きく報道されないが、まず正確な情報を知ること、その自ら得た情報を周りに発信していくことが重要だと気付かされました。そうした一人一人の行動が、クルド人に対して日本としてどのような人道的な支援ができるか、現状をどう変えていくべきかなどを考える大きなうねりに繋がると思いました
‐彼らが苦しんでいるのは、未来の自分たちかもしれない”という言葉に本当にそうだなと思いました。難民について関心を持ったのは“もし自分が難民になったら”と思い、日本の難民問題について知った時に“何かしなければ”と思いました。このLunchTripに参加したことや、日本の難民問題について私なりに周囲に広めていきたいと思います。今日は貴重な機会をありがとうございました。
‐今回は同時間帯に参加できず残念でしたが、YouTubeで拝見しました内容はとても有意義でした。今後も継続的にこの難民問題・入管問題を取り上げていただけると嬉しいです
今回のクルド便にご搭乗いただいたPassengerの皆さま、誠にありがとうございました!また来年もLunchTripをよろしくお願いいたします!